自立歩行か車椅子か

一昨日、ホームのNさんから「自分の足で歩いていただくか、車椅子にするか、どちらにしましょうか」のような電話あり。「転倒して骨折というのが怖いので車椅子を主にすることでお願いしたい」と依頼した。

昨日はOさんから「怪我はありませんが車椅子からずり落ちました」と連絡あり。「ベルトで落ちないようにできませんか」と聞いたら「それをすると拘束になるのでできません」とのこと。どうすりゃいいんだ?

 

そんなこともあって、今日、面会に行った。

母の部屋に入ると「誰も呼びに来てくれないからどうなっているのかと思って、外に行ってみようと思ってた」と言う。「昼ご飯が終わって部屋に戻ったばかりなんじゃないの?」と言うと「ご飯なんか食べてないわよ。私にはくれないもの。お腹すいたから何か食べに連れてってくれない?」。あらら(^-^;

前回もそうだったが、食べたことを忘れるだけでなく、満腹中枢が働かないのだろう。「食べたでしょ?」と言い聞かせても無駄なので「それは困ったねぇ」とごまかすしかない。

ドライブに連れ出し、時々行く「いなげや」へ連れて行った。店で使わせてもらえると思った車椅子が出払っていたので、店内の休息所まで歩いてもらったが、大した距離ではないのに「早く座らせてぇ」と辛そうに言われ、自立歩行が難しいことを感じさせられた。

饅頭を2個買って席に戻ると、母は待ちかねたように手を出した。「しばらく食べてないから・・・」と美味しそうに食べ、「もう一つ食べられる?」と聞くと「食べられるわよ」とペロリと食べた。もう一つあったらたぶんそれも食べたかもしれない(^-^;

ホームに戻ってそのことを告げると、食べさせすぎと言われるかと思ったが「それは良かった」と言われてホッとした。

車椅子の件は、ホームにあるものはサイズが決まっているので、体に合わせたものを使えばもっと楽になるとのこと。レンタルだと月額3千円だそうだ。月3千円? ?? しばらくホームのを使わせてもらうことにした。

ドライブに連れ出してもらったり、毎月のホームの費用だったり、そして入院したり、私の母親のことで、連れ合いには申し訳ないことばかりだ。

 

今日たまたま読んだ『ロスト・ケア』という小説が、高齢化社会の今後を考えさせられた。親のことではない。すぐそこに来ている自分のことだ。ただ歳をとるだけなら問題はない。今の母の姿が将来の自分の姿かと思うと、本当に怖い。