もみじ饅頭ふたつ

母の部屋に入るまで、はたして私を覚えているのだろうかと心配していたが、何のこともなくいつもの同じ反応だった。前回の様子(私の名前を忘れ、連れ合いのことも認識していないような)はどういうことだったのだろう。薬か何かのせいで頭がもうろうとしていたのだろうか。ま、心配していたことはおこっていなくて良かった。

早速、外出したいと望むので、ドライブに出かけた。いつもより長めに走りまわり、スーパーいなげやに入ってジュースともみじ饅頭を買い、店の休憩スペースで休んだ。母は饅頭が美味しいと言ってふたつ食べた。

会話がいくらか減って、足元がだいぶ怪しくなった。あとどれくらい外出させてあげられるだろうか。