母の面会に

ひとりでバスに乗って母が入った老人ホームに面会に行った。休日のせいか道路が混んでいて、1時間以上かかった。
母の部屋に行くと、他の入所者がドアを開けて覗いていた。認知症の女性だ。母が立ち上がって近寄ってきたところで、もめる前に私が部屋に滑り込んでドアを閉めた。グループホームにいた時も他の人に部屋をのぞかれることを嫌がっていたので、いさかいが起きなければいいのだが心配だ。母の部屋がある3階は職員の目が届きにくい。くだんの女性は私たちが見学に行った際にも部屋をのぞいていた。悪気があってのことではないと分かるが、母に分かるかどうか(^^ゞ

母は調子が悪そうだった。私がいた1時間半ほどの間にトイレに何回入っただろう。ゆるい便が少しずつ出るようで、ペーパーで拭いたそのものを私に見せる。そんなもの見たくはないが「ほらね」と嘘じゃないことを証明したいらしい。分かった分かった(*_*)
職員さんに「薬かなにか処置することはできないか」と聞きに行ったが、入所後の医師の診察がまだなので、むやみに薬を出すことができない。明日巡回に来る予定なので待ってほしいとのこと。しばらくして看護婦さんらしい職員が血圧などを測りに来て、腹部を聴診器で検査してくれたが、特別異常は見られないという。移転による神経的なものだろうか。

入所5日目にして「この老人ホームでよかったのだろうか」と考える。パジャマの上着を着たままだし、上っ張りは4枚ほどベッドの上に丸まっているし、洗面台にかけてあったタオルが見つからないし等々。母がやったことだろうけれど、グループホームではいつもこぎれいにしていたものだ。職員さんたちがこまめに手をかけてくれていたからだ。このホームは部屋に入ったら職員の目が届きにくい。しかも室内を見守るはずのカメラは故障したままだ。連休に入ったから間に合わないとしても、何か事故があったらどうするのか。

心配してもきりがないと思うが、何やら先が思いやられる。

帰りのバスは15時2分の予定が20分も遅れてきた。15分前にバス停に着いたから35分も立ち通しだった。道も混んでいたのでホームから我が家まで2時間近くかかった。腰痛がいくらか良くなっていたのでさほどつらくはなかったが「死んでしまいたい。早く死んだほうがいい」と言う母の声が耳に繰り返されて気持ちが沈んでしまった。連れ合いが「考えたって仕方がないよ。いいと思ってしたことなんだから大丈夫」と言ってくれた。